口腔衛生学の起こり

美容整形にも繋がっていく現代の歯科学が、歯虫と永遠の別れを告げるには、近代歯科学が確立してもなお、さらに100年近い時の経過を待たねばなりませんでした。フォシャールは歯虫の存在に懐疑的な見解を示してはいますが、残念ながら論拠を伴った完璧な否定ではありませんでした。フォシャールらの発言により、次第に人々は歯虫の存在を伺うようになってはいったものの、現在のような虫歯に対しての見解が固っていったのは口腔衛生学の発展に伴ってのものでした。19世紀に入ると、次第に口腔衛生の重要性が注目されるようになり、歯科衛生士が独立した職業となっていき、19世紀中頃のロッテンシュタインらの研究を経て、1890年には、ミラーが「口腔細菌学」、ブラックが「歯科解剖学」を出版しています。ミラーは「口腔細菌学」にて、一般には虫歯と呼ばれる歯のう蝕が酸によって溶解しているという説を初めて唱えたのです。

美容整形【審美歯科】の誕生

遂に細菌という真犯人の存在に気づいた現代歯科学は、細菌学や解剖学といった分野の知識や技術を取り込み急激な進歩を遂げています。今日では、ずっと怖くて行きたくなかった歯医者に、どうしようもなく久しぶりに行ったところ、治療が少しも痛くなくて驚いた、といった話もよく耳にするようになりました。そんな歯科から審美歯科が独立した分野として確立されていったきっかけは1990年代に入ってのことで、美容整形の本場であるアメリカはロサンゼルスの歯科医たちの働きかけによって、次第に審美歯科は世界的なムーブメントになっていったのです。それでは、随分と歯科の歴史について長々とおさらいしてしまいましたが、次稿では実際の施術内容について具体的に見ていくことにしましょう。